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PTCサーミスタ素子の基本特性

PTCサーミスタ素子の基本特性

PTC素子の基本特性は、3つあります。
 (1)R-T特性(抵抗-温度特性)
 (2)V-I特性(電圧-電流特性)
 (3)I-Time特性(時間-電流特性)

その中で最もR-T特性がPTC素子の基本となっています。(図1)
R-T特性図の中には、特性が変化するポイントがいくつかあり、それぞれのポイントや領域に応じて当社では定義を設定しております。
図1ではそれぞれの呼称名を記しています。 この画面だけでは解りずらい部分もある為、資料ダウンロードページのお問い合わせフォームからご連絡頂き、スライドショーファイルで御確認頂くことをお勧め致します。

(1)R-T特性図

・常温抵抗値(R25)
 PTC素子は温度によって電気抵抗値が変化します。当社では 25℃時の電気抵抗値を基準としています。

・キュリー温度(Tc)
 キュリー温度を簡単にいうと 電気抵抗値が大幅に上昇を始める温度のことを指し、弊社では “常温抵抗値(R25)の 2倍の抵抗値になる温度 “ と定義しています。
 例えば常温抵抗値が100Ωの時、その2倍の値は 200Ωとなり、200Ωになる位置をR-T波形上から探し、その位置に交わる横軸の温度がキュリー温度となります。

・最小抵抗値(Rmin)/ NTC領域
 R-T波形上で最も抵抗値が減少位置です。
 常温抵抗値から、最小抵抗値までの領域を ”NTC領域” と呼んでいます。

・最大抵抗値(Rmax)/PTC領域/第2NTC領域
 R-T波形上で最も抵抗値が上昇位置です。
 最小抵抗値から、最大抵抗値までの領域を ”PTC領域” と呼んでいます。
 また、最大抵抗値から抵抗値が減少し始める領域を ”第2NTC領域 ”と呼んでいます。

・JUMP値
 最大抵抗値 と 最少抵抗値の比を”JUMP値”と呼んでいます。

・温度係数(α値)
 PTC領域における 1℃当たりの抵抗変化率を表す係数としています。

PTC製品の評価を進めて行く中で、得られた結果を正しく理解する為には このR-T特性を十分に理解いただく事が必要となります。

(2)V-I特性図

図2が V-I特性図 と R-T特性図の関係を表した図です。 同じ色で囲っている箇所がR-T特性に対して相当する位置となります。
V-I特性とは、PTC素子への印加電圧を徐々に大きくしていき、各電圧において熱平衡 に達した際の安定電流値を測定して 印加電圧との関係を対数グラフにしたものです。 
PTC素子はジュール熱による発熱によって、自身を温めながら 抵抗が変化していきます。
抵抗の変化は R-T曲線 に従う為、電流 – 電圧特性でも 同様の境界領域が存在することになります。
PTC素子への印加電圧を上昇し続けると、電流が急増する領域 “第2NTC領域” に入ります。  
この時 R-T特性では “Rmax” 付近にあるといえ、これ以上の電圧を印加すると抵抗値は下がっていき、いわゆる暴走状態になり やがて高抵抗を保つことができず電圧破壊をおこします。
よってPTC素子の規格値には、定格電圧 や 最大使用電圧を設定する必要があります。

(3)I-Time特性

電圧-電流特性は、電圧を加えた後の平衡状態に達した電流との関係を示したものですが、平衡状態に至るまでは自身(素体)が加熱されなければならないので、ある程度の時間が必要となります。
一定電圧を加えたときの電流は時間に対して図3 の時間-電流特性のように変化します。
図の中で同じ色で囲っている箇所がR-T特性に対してそれぞれの相当する位置となります。

真ん中のグラフは、Rmin を 超えるような電流を印加した事例であり、印加直後に大きな電流が流れその後急激に電流が減衰していきます。
そのピーク値を “突入電流” と呼び、弊社では計測時間内に得られた最大値 と 定義しています。
(突入電流 = Inrush current を 約して Ic と呼んでいます)
また電流減衰後の安定した電流値を “安定電流‘ と呼んでいます。
(安定電流 = Balance current を 約して Bc と呼んでいます)

一方で Rminを超えられないような電流を印加した場合(ジュール熱不足の場合)は、右図 のような波形となります。
このような特性の場合、突入電流がなく 安定電流値が最大値となります。
PTC素子はこれらの値を管理する為、 “突入電流値” と ”安定電流値 “ と それらを計測する測定条件(電圧・時間・環境温度)を規格化します。
より詳しい資料を入手されたい方はお問い合わせフォームから御連絡下さい。

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当社PTC温風ヒータの製品カタログです
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